2021年を迎えるにあたりまして、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は歴史の教科書に残るような年となりました。世界中の人々が新型コロナウィルスから健康を守るとともに、多くの企業が、どのように企業戦略を変革させ、経済を回していくかに関して、深く考えさせられる年になりました。今まではコンセプトでは語られてきたものの、なかなか実行できていなかった在宅勤務への移行が急速に進むにあたり、それを支えるデジタル技術の採用も急速に進んだ年でもありました。例えば、私も昨年の年初には、日本においてはデジタルサインを利用して電子契約を締結できるようになるには、まだ数年かかるだろうと思っていたのですが、昨年複数のお客様と電子契約をさせていただくことができました。
弊社におきましては、お客様の大切な基幹システムをお預かりしている間は、お客様に他の差し迫ったビジネス上の問題に集中していただけるよう確実に高品質なサポートを提供することにフォーカスしております。昨年の早い段階で、在宅勤務への切り替えを完了し、現在も問題なく250社を超える日本のお客様をサポートさせていただいております。在宅勤務を行うにあたりましては、IT、セキュリティー、人事制度の観点からの対策が必要ですが、リミニストリートでは以前より在宅勤務が可能な体制を整えていたことにより、迅速に、かつ手間をかけることなく、在宅勤務に移行できております。つきましては引き続きお客様に高品質なサポートを提供できると思っております。
2021年は、多くの企業にとって選択の年になるのではないかと思っております。経済産業省は「2025年の崖」レポートの中で、既存のシステムの棚卸を行い、デジタル変革の阻害になるようなシステムの改修を行うことを示唆しております。レポートによりますと、データ構造やシステム構造がわからないようなレガシーシステムはデジタル変革を阻害すると定義されています。多くの企業の中には、いまだにホストコンピューターで構築され、その仕様を社内外で理解されていないシステムが稼働しているケースが存在します。これはデジタル変革を阻害することになると思っております。一方で、SAP ERPやOracle ERP(EBS、PSFT、JDE等)は構造を理解しているエンジニアは多く存在し、決してデジタル変革を阻害するものではないと思っております。多くの企業において、システムの選別を行い、継続するシステムに関し、どのように運用をしていくかを決めなくてはいけない年になるかと思います。
一方で、2021年はまだこの世界的な大流行の影響を大きく受ける年になると思われます。世界中の企業は、この大流行後、いかにスタートダッシュを行い、優位性を獲得するかのレースに備えています。このレースに勝ち抜くためには、日本企業も自社の優位性、方向性の戦略を立案し、リソース(人・金・時間)を集中して投資することが重要であると思っております。その中で、ソフトウェアベンダーの設定する保守期限のために重要なリソースが割かれてしまうのは、今後の優位性に大きく影響するのではないでしょうか。弊社は、皆様の重要なリソースが戦略優位性を確立するためのデジタル戦略に投入できるようにお手伝いをしていきたいと思います。
コスト最適化のために第三者保守サポートを求める多くの企業様をお迎えし、ビジネス変革のための予算と時間、そしてリソースを解放することをご支援するために、リミニストリートは2つの視点からソフトウェアサポートサービスの強化を続けています。ひとつは、「エンジニアの採用」、そして「サポート効率の継続的な改善」です。この2つの視点から、ソフトウェアサポートサービスを強化していきます。
まず、採用に関しましては、リミニストリートの提供する新しい働き方を選択されるエンジニアが増えてきております。例えば、各エンジニアが選択できるオプションとして、リミニストリートでは在宅勤務を広く推奨しております。コロナ禍においてそして、高齢化社会において、新しい働き方をしたいエンジニアに対し、働きやすい場を提供する仕組みを本年も提供していこうと思っています。その一環として、定年を延長することを検討しております。これが実現すれば、エンジニアの働き方に対してまた一つのオプションを追加できると思っております。
また、サポート効率の向上に関しましては、AIの採用を開始しています。例えば、お客様からの特殊な問い合わせに対して、世界中のエンジニアより適切な人間を探し出すのですが、今まではマネージャーが連携を取り合いエンジニアのアサインを行っていたのですが、AIの活用により、お客様からの問い合わせにマッチするエンジニアを自動推奨する仕組みも導入されています。また、お客様とエンジニアのやり取りを常にAIが監視を行い、リスクの高いやり取りは自動判別を行い、担当のマネージャーが早期に介入を行い解決する仕組みの導入も開始されています。本年もデジタル技術を活用し、日本のお客様からのお問い合わせにも、さらに高品質で迅速なサポートができるようにチャレンジしてまいります。
おかげさまで、弊社の業績はこのコロナ禍においても順調に伸びております。 弊社では、お客様の皆様に感謝をしつつ、Rimini Street Foundationを通じて社会に還元させていただいております。世界中のコロナ禍で苦しむ人たちに少しでもサポートができますように活動しておりますが、日本におきましても、新型コロナウィルス対策のプロジェクトへ寄付をさせていただき、また、ボランティア団体の会計手続き支援作業を行わせていただきました。本年も、引き続き少しでも社会に還元できますよう、頑張ってまいります。
本年も、リミニストリートをよろしくお願いいたします。
2021年1月1日
日本リミニストリート株式会社
代表取締役社長
脇阪順雄