世界的な人気を誇るシンガーソングライターからCFOが学べる5つの教訓

Michael Perica
EVP & Chief Financial Officer
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世界的な人気を誇るシンガーソングライターからCFOが学べる5つの教訓

私たちCFOは、超有名シンガーソングライターからどんな教訓を学べるのでしょうか?今回紹介する5つの教訓は、経験豊富なCFOなら誰でもすでに知っているはずの基本的なことですが、成功する上で大事なことを気付かせてくれると思います。

私のように若い娘がいると、テイラー・スウィフト・ファンの熱狂に巻き込まれないようにするのは、ほぼ不可能に近いでしょう。最近、家族でテイラー・スウィフトのライブを見に行ったのですが、テイラー・スウィフトの才能に感動し、さらに起業家としてのマインドセット、ブランド管理、そしてレジリエンスに感銘を受けました。

30年近くにわたる財務管理と資本市場の経験の中で、私は多くの教訓と基本的な真理を学んできました。そして、テイラー・スウィフトの成功のビジネス的側面に、すべての企業CFOが大企業の財務指導に活かせる5つの本質的なインサイトがあることに気づきました。

現在、ハーバード大学では、テイラー・スウィフトに関するコースが開講されており、それだけではなく、テイラー・スウィフトにインスピレーションを受けた同様のコースがアメリカ中の大学を席巻しているのです。この記事で取り上げる5つの教訓は、おそらくほとんどのCFOがすでに認識していると思いますが、テイラー・スウィフトの事例は、創造的な方法で、行動に向けて新たなエネルギーを喚起する有用なリマインダーとなるでしょう。

1. 収入源の多様化

The Washington Postでは「テイラー・スウィフトのエラス・ツアーは、アメリカ史上最も収益性の高いコンサート」と、CNBCでは「エラス・ツアーのライブ映画は、コンサートフィルム映画史上No.1の週末興行成績となった」と報じられました。

Forbesによると、テイラー・スウィフトは、アルバムの売り上げとライブの収益だけにとどまらず、グッズ・セールス、ブランド・パートナーシップ、ストリーミング・プラットフォームなど、収入源を上手に多様化させ、その結果、彼女は億万長者の仲間入りを果たしました。企業のCFOにとって、リスクを減らし、安定性を確保するために収益源を多様化することの重要性を再認識させられます。

2. データ主導の意思決定

テイラー・スウィフトは、データ分析を多用することで知られています。Digital Marketing Instituteの記事では、「テイラー・スウィフトは、データ主導のトレンドに基づくインサイトを駆使して、音楽アレンジ、ビデオ・コンテンツ、魅力的なソーシャル・メディア・キャンペーンを作成し、幅広い視聴者層にアピールするなど、自身のチームと協力して、マーケティング・ミックスに人間らしさを加えている。」と、評されており、テイラー・スウィフトの天才的なマーケティング手法から、デジタルマーケティング担当者が学べる4つの教訓に焦点を当てています。

成功している企業のCFOは、データ分析を活用して、情報に基づいた財務上の意思決定を行い、プロセスを最適化し、組織内の成長機会を特定することで、この教訓を日々実践しています。

3. 戦略的な交渉

再レコーディングの決定など、テイラー・スウィフトは、音楽レーベルやストリーミング・プラットフォームと戦略的に交渉しています。2015年、彼女はAppleと真っ向から対立し、Appleが新しいストリーミング・サービスの試用期間中にアーティストに印税を支払わないという計画を取り下げるよう促しました。

成功しているCFOは、ダイナミックな財務の世界で、強力な交渉スキルがリスク管理や成長促進、収益性加速において極めて重要であることを知っています。そして、テイラー・スウィフトが行ったように、交渉とは単に取引を成立させることではなく、お互いの利害を一致させ、お互いに有益な結果をもたらす味方を見極め、強固な人間関係を構築することなのです。

4. ブランド・マネジメント

テイラー・スウィフトは、自身のブランドを注意深く管理し、聴衆の心に響く力強い本物のイメージを作り上げてきました。Forbes Australiaは、次のように報じました。「テイラー・スウィフトは、自分の音楽とパブリックイメージを利用して、ファンが共感できる物語を創り出しました。」2019年に最初の6枚のアルバムのマスター・レコーディングがIthaca Holdingsに売却された後、テイラー・スウィフトは、自分の楽曲のオーナーシップを取り戻すために、6枚のアルバムの全曲を再レコーディングしようとしました。

テイラー・スウィフトのブランド・マネジメント戦略から、それが財務パフォーマンス、顧客ロイヤルティ、市場でのポジショニングにどのような影響を与えるかも学ぶことが出来ます。財務データとインサイトを活用すれば、CFOは、収益性の高いポジショニングを定義し、価値の高い顧客接点を認識し、市場セグメントに対するリソースの優先順位のバランスをとることを支援し、ブランドの成功に貢献することができます。さらに、CFOは収集したインサイトにより、苦労して稼いだ知的財産を保護する際の適切なROIを計算し、評価するよう組織を導くことも出来るのです。非常にコストがかかるものの、時には必要な取り組みです。

5. 適応力とレジリエンス

テイラー・スウィフトは、自身のキャリアを通じて、音楽業界の変化に適応し、困難を乗り越えてきました。

成功するCFOは、常に学び続け、特に景気変動や規制の変更、予期せぬ出来事に直面しても適応力とレジリエンスを発揮して、激動の時代においても組織の財務的な安定を確保しています。経済の不確実性が一向に収まる気配を見せない中で、CFOは、組織の長期的な成功を確実にするために、適応力と回復力を発揮する不可欠なリーダーであり続けるでしょう。

クリエイティブ・インスピレーション

エンターテインメント業界と企業の世界は多くの点で異なりますが、テイラー・スウィフトの成功したキャリアから得た5つの教訓(収益源の多様化、データに基づく意思決定、戦略的な交渉、ブランド管理、適応性とレジリエンス)は、状況の変化に適応し戦略的な意思決定を行いながら、創造的に考えることを思い出させてくれるでしょう。

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