ベンダーの話は本当でしょうか?
優れた機能を持つ製品を開発しているベンダーの話であれば信用に値すると思われがちですし、その製品の導入や運用を担当しているシステムインテグレーターも同じ話をしていればさらに信用度は増します。ただ、ベンダーやシステムインテグレーターが広めている認識は彼ら自身が成長すらためのマーケティング要素が含まれ、必ずしもユーザの都合や利益を考慮しているわけではないことにも留意すべきです。もっともらしい話でもすべて鵜吞みにせず、ユーザ側の担当者は慎重に見極める必要があります。
本ブログでは広く信じられている以下4つのSAP神話について見ていきましょう。
神話1 現在のERPコアのままではイノベーションは不可能
神話2 よりよいサポートやサービスを得ながらコスト削減は不可能
神話3 現在のSAP契約ではクラウドに移行するのは不可能
神話4 追加コストを支払わなければ2027年移行ECCのフルサポートを受けるのは不可能
実はこれらはすべて可能かもしれません、システム運用の最適化とコスト削減を行いながら、ITリソースにイノベーションをもたらすプロジェクトに振り向け、あなたの会社を成長に導くことは可能です。
神話1 現在のERPコアのままではイノベーションは不可能
ECC/Business Suite, S/4HANAあるいはSAPのデータベースを利用されているすべてのお客様は常に製品アップグレードの圧力にさらされています。アップグレードしなければ新しい機能が手に入らず、IT業界の潮流についていけなくなると思わされているからです。
更にアップグレードをきっかけに、ベンダーやシステムインテグレーターがクラウドへの移行、RISE with SAPの採用など、システムのリニュアルに繋がる提案を合わせて持ってくることも多いです。
アップグレードやRISEへの移行が簡単でサクッと終わるプロジェクトであれば「とりあえずやっておこうか」という考え方でも問題にはなりませんが、ERPやデータベースのアップグレードは大きなプロジェクトで、膨大なコスト、人材、時間がかかるだけではなく、ダウンタイム、スケジュール、データ移行の品質などたくさんのプロジェクトリスクが潜んでいます。
リミニストリートのお客様の多くは、アップグレードありきではなく、お客様のビジネス戦略に沿ったITロードマップをお客様にアプローチしています。まず、ビジネスの成長に必要な機能は何か?その機能を手に入れるためにどのような方法があるか?どの方法がよりコスト対効果が高いかという視点でERPアップグレードの必要性を検討します。
その結果、経理、CRM、購買、人事などの分野でイノベーションを行うにはERP自体のアップグレードではなく、その分野ですでに広く利用されている第三社の製品を導入し、現在のERPと繋ぐことが最もコスト対効果が高いと結論付けています。
神話2 よりよいサポートやサービスを得ながらコスト削減は不可能
安かろう悪かろうという日本語があるように一般的には高いものがいいと信じられていますが、ITの保守に関してはそうでもありません。ERPが出た当初、保守料はライセンス料金の15%でしたが、現在は22%と30年間で47%も跳ね上がっています。
一方で、ERPに対する機能追加の数や頻度が劇的に下がっています。ECC6とその5年ほど前にリリースされているR/3 4.6Cとの機能差について説明できるSAPのコンサルタントは(ちょっとご年配かもしれませんが)たくさんいますが、同じ5年間のインターバルがあるECC6 EhP7とEhP4の間の機能差異をお客様に説明できるコンサルタントはほぼいらっしゃいません。SAPのアップグレード権が付く保守の価値が劇的に下がっているにもかかわらず価格は高止まりしています。
更に、応答の遅さ、保守要員のスキルの低さ、アドオンは対象外など、ERPベンダーの保守サービス自体に対してもほとんどのお客様が不満を持っています。
リミニストリートは保守サービスに特化した会社です。弊社のサービスを利用すれば品質が向上するだけではなく、最大90%の保守コストを削減可能です。
リミニストリートのサービスとイノベーションは両立します。多くのお客様が節約したERPの保守コストをAI、データ分析、モバイル、デジタルトランスフォーメーションやタレントマネジメントなどのエリアに再投資されています。
神話3 現在のSAP契約ではクラウドに移行するのは不可能
コストや管理のしやすさなどで、世の中はクラウド化やクラウドファーストのかけ声があるのは確かです。その流れに乗って、ベンダーや多くのシステムインテグレーターも、「そろそろお客様のシステムもクラウド化したほうがいいですよ。」など色々な提案をお客様のもとに持ってきます。それを今すぐに採用すべきかどうか悩まれている方も多くおられます。
しかし、クラウドベースのシステムに完全移行することが、御社にとって最適なIT戦略かどうかは、前述の「お客様のビジネス戦略に沿ったITロードマップ」と言う考え方に照らし合わせて考える必要があります。
すでに購入済みの永久ライセンスを使い、システムをオンプレミス環境での利用を続けたり、あるいはRISE with SAPやS/4HANA Public Cloud Editionなどサブスクリプションベースのクラウドサービスに移行せず、限定的なマネージドサービスを提供するIaaSプラットフォームへの移行を希望されるお客様は多くいらっしゃいます。
リミニストリートサポートを利用いただければ、アップグレードすることなく、永久ライセンスの継続的な利用が可能です。またIaaSへのリフトアンドシフトを含め、ERPシステムを運用し続けるための最適なクラウドデプロイ方式をお手伝い、サポートさせていただきます。
- 複数年のRISE with SAP契約にロックインされることはありません
- お客様のロードマップにそぐわないアップグレードの必要はありません
- 購入済みの永久ライセンスを放棄する必要はありません
神話4 追加コストを支払わなければ2027年移行ECCのフルサポートを受けるのは不可能
最後にSAPのECC 6を利用されている皆様の頭を一番悩ませているであろうSAPの2027年/2025年問題です。
2027年末にSAPがECC6を含むSAP Business Suite 7の保守を終了すると発表しています。何年もかけてやっと基幹システムの安定運用に漕ぎつけたIT部門の担当者は、2027年までにSAP S/4HANAへのアップグレードを完了するよう迫られています。
SAPやシステムインテグレーターの主張に反して、2027年の日付に縛られる必要というのは、じつはありません。EhP0-5を利用されているお客様も慌てて価値の乏しいEhP6-8適用のプロジェクトを行う必要もありません。リミニストリートのサービスを利用すれば、契約日から最低15年間今のバージョン、EhPレベルのままフルサポートを受けることができるからです。またSAP保守のように、2027年以降22%の保守料率が24%に値上がり(実質9%の値上げ)することもありません。最初の神話のところでご説明したように、ECCを利用しながら変化の少ないERP以外の部分でイノベーションを続けることが可能ですし、多くのお客様はすでにその道を選択されています。
成長しないといけないのはお客様であり、ベンダーやシステムインテグレーターではないので、彼らが広めるSAP神話に惑わされずに、お客様のビジネス成長に合ったITロードマップをぜひご選択ください。