皆さんご存知のように、一番利用されているSAP ERPのバージョンである ECC 6.0の保守期間が2025年末に終了します。ECC6.0のマイナーバージョンであるEhP6-8を提供されているお客様のみ、特例的に保守期間が2027年に延長されていますが、保守終了まで3年しか残っていません。このSAPの2025年(2027年)問題ですが、実はすでにS/4HANAのアップグレードが完了されているお客様にも2025年問題が訪れます。S/4HANAの各リリースの保守期間は最初から5年間と設定されており、多くのS/4HANAのリリースがすでに保守切れを迎えているか、2025年末に保守切れを迎えます。
この表で示されているように、S/4HANAの2017から2019のリリースは一回保守期間が延長され、2020のリリースと同じタイミングの2025年末、つまり今年の末には保守切れを迎えます。予算取り、ベンダ選定やプロジェクト期間などを考えるとアップグレードを決めるのは今がまさにギリギリのタイミングになります。一方で我々のような第三者保守のサービスを利用すれば、数年に一度必ず訪れるアップグレードのサイクルから抜け出すことができます。
ここで、アップグレードに忙殺されるのではなく、せっかく大金を投入して導入したERPであるS/4HANAからビジネス上のメリットを得ることに専念することを選択されたお客様の事例をご紹介します。
出典:Rimini Street, Inc. “タニタ、SAP製品のサポートをリミニストリートに切り替え、 セキュリティ対策におけるリソースを確保”
1社目は健康に関わるプロダクトやサービスを手掛けるタニタ様です。
タニタ様は2019年にIBMのAS400上で動作してきたSAPベースの基幹システムをS/4HANAで刷新し、その保守を2021年にリミニストリートに移行されました。
保守料低減ももちろんそうですが、移行を決断させた大きな理由はやはりアップグレードのコストでした。アップグレードによって得られるメリットと比較して、アドオン修正やテストなどコスト負担の方が大きく、その分の投資を業務改革やセキュリティに振り向けた方が業務にとってより大きなリターンが得られると判断されました。
2社目は大手製造業のB社様です。
B社様は2016年にロジ系の機能を含めたS/4HANAの最初のフルバージョンである1511を導入されました。アップグレードではなく、ERPの新規導入です。S/4HANAベースの基幹システム本稼働に漕ぎつけた翌年の2017年にリミニストリートの第三者保守への移行を決断されました。
B社様では最初からSAPがロードマップとして示している5年単位のアップグレードサイクルに興味を示されませんでした。B社様SAPを導入したつもりはなく、SAPの製品を利用して自社の基幹システムを導入しています。従ってB社様が考える基幹システムのライフサイクルで運用する予定というのが当時のCIOの方の考えで、S/4HANAベースの基幹システム稼働後すぐに、15年間アップグレードなしでも保守できるリミニストリートのサービスに移行されました。
リミニストリートの保守でS/4HANAをすでに7年間安定運用、その間、海外のいくつかの海外子会社に対してSAPのロールアウトも行っています。
3社目は大手流通、小売業のC社様です。
こちらのお客様は日本で最大規模の小売業を営まれている企業の一つです。規模故にアドオンの数も多く、S/4HANAへのアップグレードに非常に多くの労力と時間を掛けられています。導入されたバージョンは1709ですが、ご存知のように1709の保守は5年で本来2022年末に保守が、一度SAP社から保守の延長がされており、2025年に保守が切れます。本来であればアップグレードしないとSAPから保守を受けられなくなりますが、そのアップグレードと展開にもう一度労力と時間を掛けるわけにはいかないということで2023年にリミニストリートの保守に移行されています。
国内や海外に子会社をたくさん持っている大企業様ではよくあることですが、ソフトウェアベンダーが設定している5年や7年などのアップグレードのペースに企業グループとして追いつくこと自体が無理な話です。小規模の会社やSAPの利用方法がシンプルな会社が第三者保守を採用しているイメージはあるかもしれませんが、実はこういった悩みを抱えられている大企業様も多くリミニストリートのサービスを採用されています。
最後は大手の食品製造業様のお客様です。
こちらのお客様はSAPのIaaSであるHEC(HANA Enterprise Cloud)を利用してS/4HANA 1709を導入されています。ここでご紹介した他社様と同様に、頻繁にS/4HANAをアップグレードしなければならないことに加えて、HECの運用コストと運用品質にも大きな不満を持っていらっしゃいました。そこで思い切ってプラットフォームをよりコストが安く、運用品質も高いGCPに移行され、いわゆる脱HECをされました。実はHECの場合、SAP保守を利用し続けることが条件になっていて、アップグレード回避のために第三者保守を利用しようにも契約上の制約でできなかったのですが、GCP移行と同時にSAPの保守もリミニストリートに移行され、インフラだけではなく、運用のコストも大幅に削減されました。
以上、リミニストリートに移行されたS/4HANA利用中のお客様事例を4社ご紹介しました。いかがでしたでしょうか?ECCユーザーではなく、S/4HANAユーザーも多く弊社のサービスを採用されていることをご理解いただいたと思います。せっかく早期にS/4HANA移行を完了させたにも関わらずもう一度アップグレードが必要になるのか・・・と不満に思われているお客様がいらっしゃいましたらぜひ弊社のサービスをご検討ください。